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足くくり罠をかける場所選び ― 土・落ち葉編

執筆者の写真: 塚田
塚田
3 日前
読了時間: 5分

更新日:2 日前

株式会社BeST鳥獣対策事務所の塚田です。


足くくり罠を設置するとき、


「どこに獣道があるか」

「イノシシがどこを通っているか」


を見るのはもちろんですが、私がもうひとつ気にしているのが、足元の土や落ち葉の状態です。


同じような獣道でも、

①落葉広葉樹林

②針葉樹林(スギ林など)

③竹林


では、罠を設置したあとの「罠のにおいが土になじむまでの時間」が違うように感じています。

言い換えると、

「動物が罠周辺のにおいの変化を感じ取りにくくなり、警戒しなくなるまでの日数に差がある」ということです。


イノシシは地面のにおいを嗅ぎながら行動します。

シカでも、罠の設置場所のにおいを気にする個体がいます。


そのため、足くくり罠では、

「罠をどう隠すか」だけでなく、「罠のにおいがその場所になじみやすい土か」

も、少し気にする要素になります。


① 落葉広葉樹林


私が最も罠のにおいをなじませやすいと感じるのが、

落葉広葉樹の落ち葉が積もる場所です。


落ち葉をめくってみると、

新しい落ち葉

↓

少し形が崩れた落ち葉

↓

腐葉土

↓

土

と、徐々に分解されている場所があります。


落葉広葉樹林
落葉広葉樹林

こうした場所では有機物の分解が進んでおり、土にも腐葉土が多く混ざっています。


現場で罠を設置している感覚では、こうした土は、

罠のにおいが周囲になじむのが比較的早いように感じます。


そのため、においの面だけを見ると、

私は落葉広葉樹林をかなり使いやすい場所だと考えています。


ただし、弱点もあります。


秋は「落ち葉が積もりすぎる」


落葉期になると、設置した足くくり罠の上にも新しい落ち葉がどんどん積もります。

落ち葉が厚く積もりすぎると、イノシシが踏んだときに足と罠の間に落ち葉が入り込み、

罠の空作動につながることがあります。


罠自体は作動したのに、ワイヤーが足をしっかりくくらず、足が抜けてしまうようなケースです。


つまり落葉広葉樹林は、においはなじみやすい一方、

落葉期には罠の上に積もる葉の管理が必要という場所でもあります。


② 針葉樹林(スギ林など)


スギ林も、落葉広葉樹の次に腐葉土ができる環境ではありますが、

分解には時間がかかっているように見受けられます。


針葉樹林の落ち葉(骨は無関係です)
針葉樹林の落ち葉(骨は無関係です)

スギの葉や周囲の植物が分解途中になった層があり、その下に黒っぽい腐植の多い土がある場所では、落葉広葉樹林ほどではないものの、罠のにおいが比較的なじみやすいと感じます。

そしてスギ林には、別の大きな利点があります。


獣道が見つけやすい


広葉樹林と比べて林床の植生が少ない場所では、獣道や足跡が確認しやすくなります。

さらに秋になっても、広葉樹林のように大量の新しい落ち葉が一気に罠の上へ降り積もりにくいため、設置後の罠の状態を維持しやすいというメリットがあります。


そのため、

「獣道の見つけやすさ」「罠の管理のしやすさ」まで含めると、

スギ林も捕獲しやすい場所だと感じています(特に秋以降は)。


③ 竹林・ササの葉が積もる場所


逆に、私が難しいと感じるのが竹林です。

竹やササの葉が厚く積もっている場所では、

広葉樹の落ち葉に比べて、分解途中の葉をあまり見ない場所が多いです。


また、ササや竹林が生える場所では、土が砂地であることが多く、

土壌中の微生物が少ない場所も多いと感じています。


落ち葉の下を掘ってみても、

「分解途中の葉」

「腐葉土」


という層があまり厚くなく、乾いた葉のすぐ下に土が出てくることもあります。


こうした場所では、

罠を設置したときのにおいが残りやすく、イノシシに警戒されやすいと感じます。


落ち葉の分解が早いほど、罠のにおいが消えやすいです。


竹林は獣道自体が分かりやすく、季節によってはイノシシの餌場となることから、

罠を設置する場所として選択することもあるかと思いますが、


「道があるから設置しやすい」と「罠がばれにくい」は

別々の視点として捉えています。


もし、どうしても竹林に罠を設置する場合は、


罠のにおい消し(油抜き)を丁寧にする

動物に罠のにおいを感じ取られにくい条件の場所をえらぶ

 ※具体的な条件は研修でお伝えしています


など、においを感じ取られやすいことを、別の工夫でフォローするようにしています。



足くくり罠の場所選びでは、獣道だけでなく、その周囲環境まで見ることで、

罠の存在を隠しやすい場所かどうか、ある程度予測できると思っています。


捕獲研修では、

「こういう場所を選んでみてください」

「この場所が捕れやすくてオススメですよ」


と、まずは実践しやすい形で、要点だけお話しすることが多いです。


ただ、その背景には、

今回ご紹介したような土や落ち葉の状態、においのなじみやすさといった理由があります。


イノシシに罠を掘られた。

罠の手前で避けられた。

設置したあと、急に獣道を使わなくなった。


こうした動物からの“アンサー”が出たときは、罠そのものだけを見るのではなく、


「その罠を、どんな環境に設置していたか」

「捕獲できた罠、できなかった罠の場所に、どんな違いや共通点があるか」

「その場所は、捕獲までに何日間かかったのか」


まで記録しておくと、あとから傾向が見えてくるかもしれません。

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