意外と違う、イノシシとシカ、カモシカの「獣道」

更新日:3 日前
株式会社BeST鳥獣対策事務所の塚田です。
山の中で獣道を見つけると、
「どの動物も、だいたい同じような道を歩くんじゃないの?」
「そもそも獣道って、イノシシの道じゃないの?」
「いろんな動物が、同じ獣道を使うの?」
と思う方もいるかもしれません。
実は、ひとくちに「獣道」といっても、
① イノシシがメインで使う道
② シカがメインで使う道
③ カモシカがメインで使う道
④ さまざまな獣種が共同で使う道、いわば「国道」
など、さまざまです。
同じ山の中でも、動物によって体格や脚の長さ、骨格、関節の動き方が異なります。
そのため、「どこを通りやすいか」「どう斜面を下りるか」にも違いが出ます。
例えば、
<草の獣道>
イノシシは背が低いため、
高さ40cm程度以下の草や藪の中を、潜るように通ることがあります。
そのため、草の根元付近だけが開いた、トンネル状の獣道になることがあります。

一方、シカやカモシカは体高があるため、イノシシのようなトンネル状にはならず、草が上までぱっくりと割れたような獣道になります。

※写真は枯草のため草が割れている可能性もあります。
青草の時期の方がより正確に獣種を絞りやすいです。
<倒木を越えた跡>
倒木の越え方にも、体格の違いが表れます。
イノシシが倒木を越える場所では、背が低いため、お腹が木に擦れて泥が付着していることがあります。
また、脚が倒木に擦れることで、木の表面の繊維が、櫛でとかしたような跡になることもあります。
一方、脚の長いシカやカモシカは、イノシシにとっては越えにくい高さの倒木でも、そのまままたいで通ることがあります。
同じ倒木でも、
「体を擦りながら越えたのか」「脚でまたいで越えたのか」
を見ることで、通った動物を考えるヒントになります。
<坂の下り方>
斜面では、獣道そのものの形にも違いが出ます。
イノシシでは、坂を比較的まっすぐ下ったり、大きくぶれないカーブを描きながら下ったりする獣道が見られます。

シカやカモシカは脚が長いため、急な斜面をまっすぐ下るよりも、斜面を横切るように進みながら下った方が、重心のバランスを取りやすくなります。
その結果、斜面にジグザグの獣道ができることがあります。

そして、山の尾根や水場へ向かう道などは、
イノシシだけでなく、シカ、カモシカ、クマ、サルなど、
複数の動物が共同で利用する「国道」のような獣道になることもあります。
つまり、獣道を見つけただけでは、
「ここはイノシシの道だ」とはまだ言えません。
でも、意外と見分けるポイントを掴んでしまえば、
「誰がこの道を使っているのか」は意外と簡単にわかるものでもあります。
その道の形や幅、障害物の越え方、斜面での動き、足跡や周囲の痕跡などから、
動物の体の動きをイメージし、足の関節の可動域、体の形、草のつぶれ方、
どうしてこのような動作をして降りているのかを観察し、
何の動物が最も当てはまるのか、だれでも簡単に見分ける方法がないか、
日々、痕跡から観察をしています。
今回は、
獣種:イノシシ、シカ、カモシカ
痕跡:獣道
に注目した記事にしましたが、
・イノシシ、シカ(とカモシカ)、クマの獣道の見分け方
・イノシシ、シカ、カモシカの足跡の見分け方
なども今後紹介していきたいと思います!!
今回は、塚田が記事を担当させていただきました。
獣種判別ができるようになると、山の見え方も少し変わってきます。
「この道は何が使っているんだろう」
「この足跡は誰のものだろう」
と考えながら歩くようになると、
錯誤捕獲を減らしやすくなるだけでなく、狩猟や山歩きそのものも、
より楽しめるようになると思います。
この記事が、獣種判別を始める参考になれば幸いです。

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